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■軍事費を削って「環境基金」 世界宗教者平和会議がG8洞爺湖サミットに「提言」
  最首公司 (2008.7)


 7月1日から札幌市で開かれていた「世界宗教者平和会議」は、「環境破壊と気候変動」「国連ミレニアム目標」「核兵器の廃絶」「テロリズムと武力紛争」などについて3日19項目の「提言」をまとめて閉幕した。「提言」は会場で読み上げられたあと日本政府代表(内閣府副大臣)に手渡された。福田首相を通じてG8サミット出席者全員に配布される。
 19項目の第1項目が「国防軍事費を削減し、その節約された財源を環境保護のための活動を推進する「地球基金」の創設に充当する」であった。

 世界の宗教団体代表がG8サミットの前に、宗教者の立場から「提言」しようという動きは、06年ロシアでのサミットで、プーチン大統領(当時)も出席して開かれたのが最初である。翌07年ドイツでのサミットに合わせて第2回目が開催され、今回が第3回になる。

 「こんど世界宗教者平和会議の準備会合が開かれる」と、日本ムスリム協会徳増公明会長から聞いたのは5月中旬だった。私は以前から「環境の最大の敵は戦争である」というスウェーデンの故パルメ首相の言葉が環境問題のキーワードではないかと思っていたので、準備会合に参加し、発言し、そして同士の協会メンバーと相談した。そうしてまとめ上げたのが次の「提言」だった。



世界宗教者平和会議への提言
2008年6月20日 
宗教法人日本ムスリム協会会長 徳増 公明


 今般、世界宗教者平和会議が北海道・洞爺湖サミット参加国首脳に対して「提言」するに当たり、私たちは次のよう趣旨の文言を加えるよう提案いたします。

1、 地球環境の最大の破壊者は「戦争」である。G8首脳会議参加国は、戦争を前提にした国防費・軍事費の一部を削減し、地球環境保全のための「地球環境基金」(仮称)に投入する。
2、 G8首脳会議は国連に対して、国連加盟国すべての国が同様の措置(軍事費・国防費の一部削減と国際環境基金への投入)をとるよう勧告する。
3、 宗教には、宗派を問わず自発的な喜捨により金品を集め、配分するという経験と実績がある。地球上の一部が飽食し、他が飢餓に苦しむ事態を避けるべく、食料に係わる喜捨を地球規模で行い、国際規模の備蓄設備を設けるとともに公平な備蓄配分システムを構築する。



[提案の背景]
 7月7日から始まる「洞爺湖サミット」は別名「環境サミット」といわれる。いま、人類が当面する地球環境の危機状態をどう解決するか、世界の主要国首脳が会合し、考え、議論し、世界共通の政策を提示する会議である。これに対して宗教者として政治家が思いつかない、あるいは気づいてもできないような提言をする必要がある。


[宗教者の責任]
 世界の宗教者がいま問われているのは「宗教は地球を救えるか」である。「宗教」はこれまで「個人の救済」「民族の独立」「国家の繁栄」などが求められ、そのことが時には人と人、民族と民族、国家と国家の対立を生み、戦争を招いてきた。
 21世紀の今日、宗教が直面している主題は個人を超え、国家を超えた自然そのもの、地球そのものの救済である。宗教者はこれに応えなければならない。


[環境の最大の敵は戦争である]
 「環境の最大の敵は戦争である」――この言葉を残したのは、1986年、イラン・イラク戦争調停中に暗殺されたスウェーデンの故パルメ首相である。20年後のいま、この言葉は一層の重みをもってわれわれに迫ってくる。
 「環境問題」を「経済問題」と同列に捉え、環境保護と経済成長を両立させようと「排出権取引き」を考え、金融市場に解決を委ねようとする動きがあるが、これでは地球を救うことはできない。


[環境と戦争は両立しない]
 戦争はすべてのものを破壊し尽くす。人命、動植物の生態、自然環境・・・すべてを破壊する。このことは、「環境保護」は「平和」と両立させなければならないことを教えている。
一方で戦争をしながら「環境保護」を主張することは矛盾であり、戦争の道具となる武器をつくり、軍備を拡大しながら「温暖化ガス低減」を語ることは欺瞞であるということである。


[軍事費削減分を環境保護の原資とすべし]
環境問題解決の原資を市場に求め、あるいは「環境税」「炭素税」に頼ることは、各国間や国民に不公平をもたらしかねない。われわれはその原資を環境と平和の阻害要因である軍事費・国防費の削減によって充てるべきだと考える。
いま、世界主要国の軍事費は総額約1兆3400億米ドル(約140兆円)に達する(2006年 ストックホルム平和問題研究所調べ)。この軍事費の一部を削減し、「地球環境基金」(仮称)に拠出するのである。


[食料・エネルギー資源の公平な配分を]
 私たちは食料も鉱物資源もエネルギーも、何一つ人間が創れるものではないことに、改めて気付かなければならない。神によって与えられたすべての資源を、神の下でみな平等である全ての人々の間で、公平に分かち合うよう叡智を傾けようではないか。


[情けは人の為ならず(A kindness is never lost)]
 上記の「提言」をするに当たり、仏教の「利他」の心を以って訴えたい。今の自分を振り返る「自省心」こそ、われわれ日本の宗教者が世界平和のために大切にしている心であり、世界の指導者に提言したいことばである。なぜなら閣下の叡智と心の決断によってこの地球の未来が決まるからです。


 7月1日、札幌の会場で配布された「提言案」には、
・[国防軍事費を削減し、その節約された財源を環境保護のための活動を推進する「地球基金」の創設に充当する。G8諸国政府は模範を示し、国連を通じて、すべての諸国が同様の措置をとるよう更に強く要請する]とあった。

 これが会議最終日に採択された「正文」では
[国防軍事費を削減し、その節約された財源を環境保護のための活動を推進する「地球基金」の創設に充当する]となった。
  [G8諸国は]以下が削除されたが、それでも「戦争と環境保護は両立しない」ことが主張できたので、私たちはこれを了承した。


 会議の合間にこの会議を主宰するWCRP国際委員会事務総長のW.ベンドレイ師(米国)から「日本は大変いい提案をしてくれた。感謝してます」と握手を求められた。
 会議では「安全保障問題」を討議した際にボスニア・ヘルツゴミナのイスラーム共同体最高指導者M・チェリッチ師が「私どもは飢餓からの自由、恐怖からの自由を求めている」と発言したことが、頭から離れなかった。

 締めくくりの全体会議で、私は挙手して発言を求め、「今後はこれら提言がG8諸国によってどう受け止められ、実行されたか、あるいは無視されたのは検証する必要がある。この作業は来年のG8サミットが開かれるカナダの宗教者代表にお願いしたい」と申し上げた。


 私は今朝札幌で朝刊を一読したが北海道新聞が比較的詳しく報じていたが、読売は「道統合版」で「平和の祈り」の写真とともに「提言骨子」を伝えていたが、日経は触れていなかった。皆さんの手元に配られた新聞はどうですか?


2008年7月4日 札幌で 最首公司
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