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■「格差社会」2 小林 勉 (2007.3)
 先回はタイやバングラデシュといったアジアの国の格差について考えて見ましたが、今回はアフリカに向かいます。


 南アフリカとザンビアを巡ってきました。南アフリカはネルソンマンデラ大統領以降、残酷な人種隔離政策であるアパルトヘイトは廃止されました。そのために乗り物にもレストランなどの公共の建物にも、白人専用、黒人専用という区別はありません。また黒人が大通りを渡るときでも許可証を持っている必要もありません。
 しかし、今でもソウェト地区という黒人居住区はあります。またその中に裕福な黒人とそうでない黒人の生活区域が別れていました。これは黒人の社会進出が始まった結果出てきた現象であり、ある程度仕方のないことだろうと思います。発展は常にアンバランスな始まり方をしますので、豊かになれる人から豊かになれば、というケ小平氏の言葉、そのままの感じがします。ソウェトには観光客も見学できるエリアがあり、そこは一応豊かではない黒人が居住するエリアで、虐殺博物館や、ネルソンマンデラの家なども見学できて見ごたえがあります。でも治安の問題から午前中に限られるようでした。実はこのソウェトの中には見学できないもっとも貧しい地域があり車道から見えますが、運転手は止まってくれませんでした。
 南アフリカにはヨハネスブルグ大学がありますが、以前はランドアフリカーンス大学と呼ばれ、南ア白人の話す、アフリカーンス語で講義がなされていました。今は英語の講義もなされています。これで白人だけでなく黒人や南ア以外の国の人もここで学ぶことができるようになっています。
 このように、格差社会の本場でもある南アもずいぶん社会格差の壁は取り払われてきている感じはします。しかしやはり大部分の土地は白人が所有しており、南アでたくさん取れる鉱物資源は白人がオーナーです。この国の黒人は、まったく豊かになるチャンスさえ与えられなかった自分たちの周りの格差の壁を自分たちの力で取り除いたといえます。これはすばらしいことです。今はまだ、黒人の失業率は40lを越える現状ではありますが、もっと民主化が進んで本当の意味で黒人も白人もない豊かな南アフリカになる日が来ると思いますが、いかがでしょうか。
 この国は確かに豊かで、金やプラチナ、その他の鉱物資源がいっぱいあります。それ以外にも農産物や漁業でも豊かな国です。地中海式気候ということもあり、しかも標高が高いのですごしやすい。また地下水も非常に豊富なことから、農業には向いた国です。畜産も盛んで農産品は労働力が安いせいもあり安価です。ところが問題は、この経済大国である南アからほかのアフリカの貧しい国に向けて、大量に輸出されています。この農産輸出品が貧しい国の農業をゆがめてしまっています。これが問題です。


 では次に、貧しいアフリカの国の代表格であるザンビアのお話です。
 ザンビアは、南アと同じくアフリカ南部にありますが、内陸国のために海はありません。銅がたくさん採れて、栄えていた時期もあります。東京オリンピックの時には日本とザンビアは同じGNPであったという話は良く使われるフレーズです。その後、銅の国際価格が急落し、一気に貧しい国に転落、今では日本とのGNPの差は30倍を越えます。ザンビアの首都、ルサカにいても、産業というものは特にないような感じです。町はちゃんと整備され、スーパーマーケットもガソリンスタンドもありますが、南ア資本が多いです。スーパーで売られているものも輸入品が非常に多く、高価です。この国の、ろくに仕事がないか、あっても非常に安い給料でどうやってこんな高価なものを買えるのか不思議になります。ガソリンも日本並みの値段で、よくこんな高いガソリンを使えるものだと思います。これも格差社会ならではのことでしょう。
 ザンビアにももちろんお金持ちはいます。ルサカにはお金持ちの住むエリアがあります。しかしそれ以外はコンパウンドという無計画居住区に住んでいます。ここがいわゆるスラムで、非常に衛生状態、治安が悪いところです。こういうところでコレラ、結核、AIDSなどの感染症が蔓延するわけです。ザンビアは地方都市ではほとんど産業が発達していないこともあり、みんな現金収入を求めてルサカに出てくるのですが、実際仕事にありつける人はわずかです。ルサカにも産業は特にないようなので結局は失業者があふれるという状態です。
 産業といえば援助団体関係が一番いいようで、国連機関やほかの国のODAやNGO関係の職員とか関連企業が就職先にはいいようです。しかしありつけるのはわずかです。自分はこんなに気候がよく、人口が少ないのだからもっと農業をすればいいのにと思います。特に農産物を買う必要がないほど農業が充実して飽和状態というのならともかく、農産物は南アやジンバブウェなどから大量に輸入されています。この辺りが良くわからない。でも政府は農業振興に力を入れているということです。でもどうにもそのようには見えない。アフリカの農業については次回からに続きます
 格差社会と単なる差の違いは、もちろんその国に住む人間が感じ、そして決めることではあります。格差には経済的なこと、社会的なこと、学歴、性別などさまざまなものがあります。しかし社会が成熟してくればそれを是正する動きが出てきてきます。しかし、社会のシステムによって差は出ます。資本主義社会において、たとえばいろいろな会社の経営状態に差が出ることは当然なことです。しかし、職種について、社会的な差が出ることはいけません。格差の強い社会につながります。また、自由な社会はチャンスがなくてはいけません。はじめから伸びる機会が奪われている社会は大きな格差のある社会といえます。昔の南アのようなものです。
 また、なくなっているとはいわれるもののやはり厳然として残っているインドのカースト、イスラム原理主義の強い国の中には女性の社会的地位が依然低い国があります。大きな格差は社会の発展を間違いなく遅らせます。持続可能な社会の実現のためには、差はあっても格差のない社会を作り上げる必要があります。持続可能な社会という考えは、資源や廃棄物の面からとらえられることが多いですが、社会的に持続可能な社会を作り上げていくことは貧困の撲滅などのために非常に大切なことです。9.11同時多発テロ発生の原因を突き詰めるとそれは貧困のためであるということになっています。完全に正しいのかどうかは自分には判断しかねますが、貧困が要因になってることは確かなようです。
 これらのことから、簡単に格差はどこにでもあります、なんていうことを政治家が軽々しく口にするのはいけません。競争原理も市場には必要ですが、あまり行き過ぎると教育現場など混乱をきたすのでそこそこでよろしい。


 ということで、格差社会は今回で終わります。次はアジア、アフリカの農業について書いてみたいと思います。

 
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